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実録ドキュメンタリー小説

「荒唐無稽裁判」

この話は現在進行形の実話です(名前や場所などは仮名です)。

お知らせ

連載第13話 「他人の土地の電柱代までゲット?!」の巻

今回のお話は、裁判のお話には直接関係していないのですが、えっ?!そんなことあるの?!っていうお話です。
このお話もなかなかに荒唐無稽なお話なんですが、いきなり結論から言いますと・・・

この裁判の過程でいろいろと調べている中で、この土地はわしの土地じゃ、土地の名義をわしに変更しろと迫ってきた原告の盆地(ぼんじ)は、自分の名義ではない他人名義の土地に建っている電柱代を着服していたことが分かったんです!

電柱代というのは、電柱敷地料といって、電柱を建てさせてほしい電力会社が土地使用料として、土地の所有者に払う代金のことです。
その使用料は、宅地か田畑か等の土地の種類によって変わってくるのですが、宅地なら1500円、田んぼなら1870円と法律によって決められています。
これは電柱1本あたりの代金ですが、電柱から斜めに支柱(黄色と黒のぐるぐる巻きにみたいになっているもの)が有れば、代金は2本分で倍になります。

この裁判の過程で、裁判となっている土地の周辺の土地についても、誰の名義になっているかなどを、法務局から図面を取り寄せて調べていたら、他人名義の土地に建っている電柱代を盆地が着服していることがわかったんです。

↓コチラが法務局から取り寄せた土地の図面です。

電柱地番図面.jpg

この図面の乙156という地番の土地に、電柱が立っています。
写真はコチラ↓

電柱地番写真.jpg

この図は誰でも取り寄せられますし、インターネット登録でも取り寄せられるので、長い間ほったらかしにしている田舎の土地がある人は、一度取り寄せてみて下さい。
図面の地番をもとに名義を調べたりしてみたら、知らない事実がわかるかもです。

問題の電柱が建っている地番乙156の土地は、昔この辺りに住んでいた松浦さんという人の名義で、既に他所へ引っ越していて、今は親戚の人も誰もいません。

問題の電柱が建っている地番乙156の土地は、昔この辺りに住んでいた松浦さんという人の名義で、既に他所へ引っ越していて、今は親戚の人も誰もいません。
数十年以上前の時代は、電柱を建てる中国電力さんが、土地の登記簿謄本で確認をするということをしておらず、近くの人に尋ねて回って、自己申告で信用して契約していたんだそうです。

だから、電柱を建てる時にその土地の名義人の松浦さん本人がいないのをいい事に原告の盆地が、そこはわしの土地じゃと言って電柱代を着服したわけです。
「着服」という言葉の意味を調べたら、「人に知れないように不正な手段を使って、自分の物にすること。」とありました。まさにぴったりです

実際、電柱代が誰に振り込まれているかは、中国電力さんに直接尋ねないと分からないので、近隣住民も知るすべはありません。
今回、もしかしてと思って中国電力さんに電話して調べてもらったら分かりました。
もう50年ぐらい前からのことですので、年間3800円x50年=19万円になります。そして、今もまだもらい続けているのです。

ちなみに、このように間違って電柱代を払っているということは、中国電力さんに尋ねたら、昔の確認不足のやり方が原因で、実はまれにあることで、分かるたびに訂正しているそうですが、今回のように本当の土地名義人と連絡がとれない場合は、どうしようもないそうです。。。

中国電力さんの落ち度で、無断で電柱を建てている状態ですが、本来の土地名義人さんが訴え出ない限り、土地の名義人ではない人に電柱代が支払われ続けるという状態が今後も延々と続くのです。
これもかなり荒唐無稽な話だと思われませんか(苦笑)

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