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実録ドキュメンタリー小説

「荒唐無稽裁判」

この話は現在進行形の実話です(名前や場所などは仮名です)。

お知らせ

連載第7話「仮領収書・・・なんで仮なの?」

コチラ↓が問題の「仮領収書」

仮領収書.png

今回は、原告(盆地・ぼんじ)と、被告(和枝おばあちゃん)が、裁判所に出廷して、裁判官を前にして、双方のそれぞれの弁護士から質問される事に答えるという「口頭弁論」での、仮領収書についての部分を紹介します。

たまにテレビのシーンでみますよね。裁判官を中心に、原告被告が両サイドに分かれて、弁護士が被告原告に困るような質問をしている、あのシーンのような感じだと思って下さい。

まず、裁判管を前にしての公明正大な口頭弁論ということで、「宣誓」をさせられます。ちなみに宣誓文はこちら↓

  宣誓「 良心に従って真実を述べ、何事もかくさず、
      また、何事も付け加えないことを誓います。」(本人サイン)

では、口頭弁論での「仮領収書」についてのくだりをご覧ください。仮領収書の写しである甲第26号証を示し、原告お母さん側の弁護士が質問します。

 

弁護士質問
「これは、領収書出てるものの写しですよね?」
被告(盆地)が答えます。
 「何がですか?」

 (最初からちょいおとぼけ気味)

「領収書として出てるもののコピーですよね?」
 「ハイ」

「まず一つ聞きたいんですが、何でこれ 仮 ってついてるんですか?」
 「それは和枝さんの弟さんに聞いて下さい」

 (弟は既に亡くなっているのに?)

「でも、目の前でこれ書かれたんですよね?」
 「いや、目の前でというても、彼はハンコを持ってきてなかったんです。」

 

「それは(ハンコ)は関係ないです。目の前で書いてるんですよね?
 「いや、ハンコ忘れた言うから、ほいじゃあとりあえず拇印おしとけと。」

 

「だから、それは関係ないです。印鑑が何かっていう話はしないんです。
 何で、そもそも 仮 って書いてあるんですか?って聞いているんです。」
 「それは弟さんに聞いて下さい。私には」

 (あの世の人間には聞けませんが?!)

 

「だから、目の前で書かれたんですよね?」
 「いえいえ、目の前で書いたわけではありません。もろうただけです。」

 

「じゃあ、なんで 仮 を直してくれって言わなかったんですか?」
 「いや、そこまで気がつきませんよ。」

 (仮って書いてあるのに気がつかない?)

 

「じゃあ、印鑑を忘れたとおっしゃいましたよね。」
 「ええ、本人が印鑑忘れた言うけん、それはしょうがいないわって。」

 

「だったら、その場で書き直してもらえばよかったんじゃないですか?」
 「でも、この仮に何の意味があるんですか?」
 
(逆に質問?!)

 

「普通は一般的に用法として、仮っていうのは本物じゃないってことでしょ。
 仮定しますよ、仮にやりますよっていう、」

 「ちょっと私には理解できません。」
 (仮の言葉の意味が分からないフリ?!)

 

「もう一度聞きます。なぜ、仮 をその場で直してもらわなかったですか?」
 「仮まで気がつかんかったんです。」

 

「あ、これ見えなかった?」 (もはや失笑レベル)
  「金を借りるいうのは分かるんですが、あそこへ仮というのは、今この
   領収書を見ても、え、ほんまじゃ(仮って書いてある)程度のことです。
   本当にこれが効力を発揮するかどうかというのは半信半疑で、まあ
   これをもろうときゃあ文句を言われんだろうという程度のものです。」

 

「今、金を貸したっておっしゃいましたけど、お金を貸したんですか?」
 「はい。」

 (素直!?)

 

「じゃあ、なんで代金って書いたんですか?」
 「それは、代金と書いたのは、あまりも土地を安うとった安うとったと
  言うので、一応田畑代金という名目で200万円渡したんです。」

 

「でも、貸したんですよね?」
 「領収書ですから貸したんではありません。」

 (おいおい!)

 

「どっちなんですか?先ほど貸したっておっしゃいましたけど、」
 「ですから、領収という事はやったということじゃないんですかね?」

 

「あげたということなんですか?」
 「いや、あげたんではないです。田畑の代金としてあげたんです。」

 (あげたんではないです、あげたんです?! もはや言語崩壊レベル!)

「結局、売買なのか?貸したのか?どっちなのですか?」
 「これは、一応口封じの売買です。」

 (口封じ?!普通使う?!)

 

「口封じの売買っていうのは?、、、」(弁護士さんさえ後ずさり気味)
 「2人がうるそうてうるそうて、要するに、税金を立て替えてもろうた
  土地を安うとった安うとったと、何年たっても同じ事を言うので、
  これからこれを出しとけば、一切言いませんいう約束をもらって、
  これを貸しました。やりました。」 (どっちなんかい?!?!)

 

「貸したんですか?」
 「貸しました。」

 (ええかげんにせい!)    

    
このような、まるでダメ若手芸人のような、ぐだぐだなコントのような
口答弁論が、裁判所で展開されたのでした(笑) まだまだ続きます(^^;)

 

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